■岡崎研究室へ配属・進学を考えている方へ

研究室配属について
九州大学理学部地球惑星科学科では、学部3年後期に研究室(研究分野)へ仮配属になり、卒業特別研究の準備を始めます。岡崎を指導教員として選ぶ際、以下の点に留意してください。

■指導教員および研究室メンバーとの相性
研究室に配属され卒業特別研究を行うようになると、大学生活は3年生までとは大きく変化します。研究室に机をもらい、先輩たちとともに多くの時間を大学の研究室で過ごすようになり、頻繁に指導教員と顔を合わせ打ち合わせや議論をします。3年前期までに、いろいろな研究分野を訪ねて、自分に合った研究室を見つけてください。岡崎は毎月1回、地惑の人たちが集まって最新の論文を紹介するセミナーを開催しています(B-601セミナー室)ので、地惑の知り合いを増やす機会として利用してください。岡崎の研究室(W1-B-602号室)への訪問も歓迎します。事前にメールでアポイントメントを取ってください。

■古海洋環境復元研究について
岡崎の研究の主な興味は、海底堆積物から様々な手法により過去の海洋環境を復元することです。特に、(1) 過去500万年間における北半球大規模氷床形成と氷期・間氷期サイクルの発達、および (2) 氷期の低い大気中二酸化炭素の行方と海洋深層循環、というテーマに興味を持って研究をしています。
岡崎が考える古海洋環境復元研究の良いところは以下のとおりです。
(A) 努力が認められやすい
過去の地球環境の復元研究は、状況証拠を積み上げて、より確からしい過去の地球環境を復元するものです。そのため適切な試料を適切な手法で分析・解析したデータをたくさん出すことは大いに評価されます。研究に打ち込んだ時間と労力が報われやすい研究分野です。
(B) 答えが一つではない
古海洋環境を復元するには、海底堆積物中のさまざまなプロキシ(過去の環境を間接的に記録しているもの)を利用します。しかし、海底堆積物中のプロキシからは、当時の海洋環境の情報を断片的にしか引き出せません。プロキシデータの信頼度に見合った議論を展開し結論を導くことは古海洋環境復元研究の面白い点です。
(C) 専門や所属の異なる人たちとの共同研究
古海洋環境復元研究では、様々な分野の専門家が集まり、持てる知識と技術を動員して、より確からしい過去の地球の姿の復元を目指します。研究航海では、文字通り寝食を共にしながら良い試料を採取するため力を合わせて作業をします。航海後も、各自の専門に応じて分析や解析を分担しチームとして研究を実施します。このような共同研究は、新たな知識の獲得だけでなく人間性の幅を拡げる機会となります。

上記の長所は、短所ともなります。データをたくさん出すには、しばしばルーチンワークを含む様々な作業に時間を費やす必要があります。そのため卒業論文を書くためには、研究を中心とした生活を送ることになります。また、共同研究は自分だけのペースで進みません。研究チームの一員として、期限を守らなければなりません。スマートに時間を掛けずに研究したい、きっちりとした答えがでる研究をしたい、他人に干渉されずに自分のペースで研究したい、という方は、本研究室と合わないかもしれません。

■研究の進め方
3年生後期に研究室に仮配属になったら文献や教科書を読み基礎的な知識を養います。4年生になるまでに、卒業特別研究のテーマを決めます。具体的な研究内容は、面談により本人の意向を汲みつつ、原則として岡崎が提示します。このとき自分で考えた具体的な研究テーマがあれば申し出てください。提案内容が科学的で実行可能なものであるか判断し受け入れるかどうか決めます。研究内容は、 (1) 微古生物学的な研究、もしくは (2) 地球化学的な研究となります。(1) は、海底堆積物中に保存された海洋プランクトン群集の研究で、顕微鏡作業が主になります。(2) は、海底堆積物のバルクもしくは抽出した構成物の化学組成や軽元素の同位体比(C, N, O)を、機器を用いて分析するものです。  4年生になったら各自の研究テーマに従い、研究を進めます。1か月に1回以上、岡崎と面談をしつつ、次の数週間から1か月間に行うことを決めます。研究内容によっては、九州大だけでなく、海洋研究開発機構高知大学海洋コア総合研究センターの機器や設備を使用して分析を行います。

■学部生向けの参考図書
・坪田一男(著),理系のための研究生活ガイド―テーマの選び方から留学の手続きまで 第2版, 講談社ブルーバックス, 2010年, ISBN: 4062576716

大学院進学について
研究の醍醐味を味わうには、卒業特別研究だけではなかなか時間が足りません。大学院に進学し、もっと研究に打ち込みたいと考える方もいるでしょう。しかし、大学院に進学すると最低2年間の時間と学費が必要となります。自分にとってそれだけの時間と費用をかける価値があるかよく考えて進学するかどうか決めてください。また、進学先も自分の行いたい研究を踏まえて検討してください。

■修士課程への進学
修士課程は2年間ですが、就職活動をする場合、研究活動に充てられる時間は思うほど多くありません。限られた時間を有効に使う工夫と努力が必要です。研究テーマは、修士1年の5月までに研究計画を作成してもらい、それを基に岡崎と議論を行い決めます。ここが学部と大学院の大きな違いです。就職希望、進学希望のいずれの場合も、修士課程の研究成果を学術雑誌に掲載される論文にまとめるよう指導します。また、希望者には、岡崎が適性を判断した上で研究航海に参加する機会を提供します。研究は定期的に岡崎と打ち合わせをしながら進めます。

■博士課程への進学
博士課程に進学するかどうかは、今後の人生を左右する大きな選択です。大学や研究所といった学術研究機関に研究者として就職するためには、博士号を取得することになります。しかし、近年の学術研究機関への就職状況は、大変厳しいものがあります。下記の参考図書などから、現状についての情報を収集することを強く勧めます。また、博士課程進学を考えている方は、できるだけ早い時期に、複数の教員や大学院生の話を聞くことを勧めます。

■博士課程進学を考えている人向けの参考図書
・榎木英介(著), 博士漂流時代 「余った博士」はどうなるか? (DISCOVERサイエンス), ディスカヴァー・トゥエンティワン, 2010年, ISBN: 4887598602

現状を客観的に理解したうえで、博士課程に進学し研究に打ち込みたいと考える方、ぜひ一緒に研究にしましょう。岡崎もできる限りサポートします。博士課程では、自分で研究計画を立て実施します。研究計画を練るため、日本学術振興会特別研究員制度を利用し、修士課程2年から毎年春に研究計画書を作成します。研究の実施にあたっては、IODPなど国内外の研究者との共同研究も推奨します。

■博士課程の人向けの参考図書
・エステール M. フィリップス・デレック S. ピュー(著)角谷快彦(訳), 博士号のとり方 学生と指導教官のための実践ハンドブック, 出版サポート大樹舎, 2010年, ISBN: 4990455509
・酒井聡樹(著), これから論文を書く若者のために 大改訂増補版, 共立出版, 2006年, ISBN: 4320005716

興味を持った方は、岡崎を訪ねてください。一緒に研究できることを楽しみにしています。

連絡先:九州大学伊都キャンパス ウエスト1号館B602号室
E-mail: yokazaki(a)geo.kyushu-u.ac.jp((a)を@に変換してください)